【小説執筆】お仕事の実績サンプル②

2019年4月25日

こんにちは、『優月の気ままな創作活動』にお越し頂きありがとうございます。
管理人の春音優月(はるねゆづき)と申します。

自分のオリジナル小説も趣味で書いていますが、ココナラとスキマで小説執筆のご依頼もお受けしております。

以前公開許可を頂いた作品をお仕事実績①で一部公開させて頂きましたが、今回もまた公開許可を頂いた作品をブログにも掲載させて頂きたいと思います。

昭和風青春?小説

サンプル公開

ーーー昭和××年、春。

四月から小学六年生になる少年ヨシキは、なんとなく見ていたテレビドラマの恐ろしい場面に大きなショックを受けていた。

テレビにうつっていたのは、ヨシキと同じ十二歳の少年である三平が、蜘蛛女の血を引く魔性の女に責められている場面。

蜘蛛の巣にとらわれた獲物のように三平は必死でもがくが、蜘蛛女の前でなすすべもなく責められ、もだえている。

強いはずの男である三平が、弱いはずの女にとらえられ、もがいているなんて。
当然のように男は強くあるべきだという価値観の元で育ってきたヨシキは、その光景に大変なショックを受けた。

しかし、倒錯的な状況のなか、ヨシキの目には苦しみもがく三平の半ズボンの脚が、妙に艶めかしくうつる。

(どうしてこんな気持ちになるんだろう……)

ヨシキ自身も周りの男子もみんな当たり前のように半ズボンをはいていたし、男子小学生が半ズボンから脚を丸出しにしている光景は見慣れたものだった。実際に今だってヨシキは半ズボンをはいている。今さら半ズボンからむき出しになった脚に特別な何かを感じることなんてあるはずもないが……。

しかし、ヨシキはどうしても三平の半ズボンからむき出しになった脚が目に焼き付いて離れなくなってしまった。

まるで見てはいけないものを見てしまった時のようだ。目を背けたくなるのに、実のところ気になって気になって仕方ない。

どうして半ズボンから出ていた三平のむっちりとした脚がこんなにも気になってしまうのか。ヨシキだって同じように半ズボンをはき、脚を丸出しにしているはずなのに。

ヨシキはどうしてもそれを知りたくなり、全身の映る鏡の前で自分の姿を映してみた。

鏡に映った自分の姿を見て、ヨシキは先ほどの三平の脚に感じたような妙な胸騒ぎを感じてしまう。

ヨシキは160センチを超える大柄の三平よりもさらに背が高い。そのため、半ズボンの丈は股に食い込みそうなくらいに短くなっていた。

そして、半ズボンからまる見えになっている脚はしなやかな筋肉がついていて、太ももは三平のようにむっちりと発達し始めている。

周りの男子も全員半ズボンをはいているし、自分ではこれが当たり前だと思っていたが、よく見ると、体格的に半ズボン姿が不自然になってきているのかもしれない。

いつの間にこんなにも丈が短くなっていたのだろうか?こんなにむちむちとした太ももを恥ずかしげもなく丸出しにしていたなんて……。

すらりと伸びるしなやかな長い脚。
柔らかそうな肉と、適度な筋肉を兼ね備えた美しい脚。それは、大人と子どもの境目にいる少年しか持つことができない奇跡の脚だった。

ヨシキの目から見ても、ヨシキの脚は三平と同じように色気のある脚だった。いや、もしかしたら三平以上かもしれない。

こんな脚をむきだしにしていたら、大人の女の人の肉欲をそそるのではないか?
三平もそれで狙われたのかもしれない。
だとしたら、自分も危ないのではないか?

何気なく見ていたドラマのワンシーンにショックを受けたヨシキは、やや自意識過剰気味ではあったが、今まで無自覚であった自身の半ズボン姿の危うさに気づき始めた。

それから数日経ったある日。
その日は春にしては少し肌寒い日ではあったが、ヨシキはいつものように半ズボンを履いて歩いていた。

ヨシキにとってはごく当たり前のことであったが、半ズボンから脚を丸出しにしていたヨシキを見かけた隣の家の主婦は、むきだしになったヨシキの脚にしげしげとした視線を浴びせる。

「今日は寒いのに、そんなに脚を出してて大丈夫?」

そして、そんな風に声をかけてきたので、ヨシキは思わずドキリとしてしまった。

実は、この主婦は東京から来た人なのだが、彼女に半ズボンのことを指摘されたことは今日が初めてではない。

ヨシキの住む田舎では、小学生男子が半ズボンを履くことは当たり前のことであったが、東京からきた人にとっては寒い時期にわざわざ半ズボンを履いているのが奇妙にうつるのだろう。

これまで何度か指摘された時は、東京から来た人だからとヨシキもあまり気にとめることはなかった。

しかし、半ズボンで寒くないの?と指摘されたことはあっても、脚のことにまで言及されたのは今日が初めてである。

それだけ、ヨシキの脚が目立ってきたということだろう。今までは子どもらしい服装で通用していたが、いまや脚の存在感が増し、いやでも視線の対象になってしまうのだ。

(やっぱり僕の脚は大人の女の人の目を引くんだ。そういう脚になってきたんだ)

そう思うと、ヨシキはとてつもない羞恥心が湧いてきた。半ズボン姿は少年の証であるはずなのに、今のヨシキの脚には大人と少年の色香が混じりあってしまっている。

他人から指摘されたことで、ヨシキはますます半ズボンをはくのが恥ずかしくなってきた。

新学期になり小学六年生となったヨシキに、新たな転機が訪れた。

ヨシキに大きく影響を与えたのは、東京から転校してきた志織という長い髪の美少女だ。

都会育ちでモデルの経験もある志織はファッションセンスが良く、長い細身のジーンズやパンタロンを颯爽とはきこなしていた。
そして、同級生の女子が履いているようないかにも子ども服といった短いスカートは子供っぽいからと嫌い、脚を隠すスタイルで通していたのだ。

他の女子とはどこか違う魅力を持ち、少し大人びている志織。

志織が現れて、ヨシキはますます半ズボンに羞恥心を持つようになった。それは、主婦から脚に視線を浴びたのとは違う理由であった。

脚を隠した大人っぽいファッションをしている志織の前に、いかにも子どもっぽいファッションの半ズボン姿で立ちたくなかったのだ。

半ズボンは少年の象徴であるのに、ヨシキの脚は少年から大人へと変わろうとしている。
だとしたら、もう半ズボンをはく時期は過ぎたのではないか?

自分と同じ年の志織が少女の象徴である短いスカートを卒業したのだから、自分だって半ズボンを卒業してもいいはずだ。

ヨシキは、男として女の子に大人っぽさへの競争で負けたくなかった。志織に子どもだと思われたくない。
男子としての見栄から半ズボンを卒業することを決めたヨシキは、半ズボンをやめて長ズボンをはくことにした。

しかし、ヨシキの田舎では、小学生の男子は半ズボンをはくのが当たり前である。
誰もが半ズボンをはいているというのに、突然長ズボンを履き始めたヨシキ。
当然周りはそれを咎め、友だちにも何で半ズボンをはかないのかと毎日のように責められてしまう。

長ズボンをはいている日が数日続くと、ついにヨシキは担任の女教師から呼び出され、半ズボンをはくようにと厳しく指導されてしまった。

志織のパンタロンや長ズボンは注意しないのに不公平だとヨシキは思ったが、それも仕方ない。

ヨシキの住む田舎では女子の服装の多様性は認められていたが、男子は半ズボンでなければ許されなかったのだ。

それからしばらくヨシキは長ズボンをはき続けたが、秋の新学期からヨシキは半ズボンで登校することにした。

好んではきたいわけではないが、あまりにも皆に責められるので、ついに根負けしてしまったのだ。

また身長が伸びたのだろうか。
ヨシキがしばらくぶりに半ズボンをはくと、さらにサイズが合わなくなっていた。下着といってもおかしくないくらいにピチピチで、むっちりした太ももがまる出しになってしまっている。

猛烈に恥ずかしかったが、学校に行かないわけにもいかない。半ズボン姿に恥ずかしさを感じながらも仕方なく登校すると、間の悪いことに志織と出くわしてしまった。

(ああ……。どうしてこんな日に限って。志織には一番半ズボン姿を見られたくなかったのに)

「あら、めずらしいね。ホットパンツなんかはいちゃって、どうしたの?」

ただでさえ見られたくなかったのに、ヨシキを見かけるなり志織が半ズボンのことに触れたので、ヨシキはますます恥ずかしくなる。

半ズボンをホットパンツと表現するのが志織らしかったが、そのせいでさらに恥ずかしさが増幅された。ホットパンツは流行のファッションであったが、大人の女性が脚を露出するファッションだ。

ホットパンツと言われると、自ら好んで露出しているようにも感じるし、なんだか響きが恥ずかしい。

「照れてるの?
男の子らしくていいじゃない。ヨシキはそっちの方がいいよ。似合ってる」

恥ずかしさにうつむくヨシキに、志織は笑いながら声をかけるが、長いジーンズをはいている志織がいつもよりも大人っぽく見えてしまい、ヨシキはなんだか置いていかれたような心境になってしまった。

(脚を隠している方が大人っぽいのに。
こんなに脚を丸出しにして、子どもみたいだ)

ヨシキは半ズボン姿を恥ずかしく思っていたが、志織はヨシキの半ズボンから伸びる長い脚をじっと見つめていた。

いつもは長いズボンをはいていたヨシキの半ズボン姿は、志織の目には新鮮にうつったのかもしれない。

男子独特のたくましさとむっちりした色気をあわせもつヨシキの脚。その意外なほどに美しい脚に志織が何を思っていたのかは定かではないが、あからさまに志織はヨシキの脚を眺めていた。

通例では、季節が冬になると、さすがに男子も防寒用に長ズボンをはくことが許されていた。

ところがこの年、小学校最後の冬だから最後まで半ズボンで通そう、というありがたくない運動が六年生の男子の間で湧き起こってしまう。

そうは言っても、冬が深くなるにつれ、寒さに負けて長ズボンに履き替える男子もいた。
しかし、長ズボンを履いた途端に「あー、◯◯くん脱落!」というようにクラスの女子たちに囃し立てられ、冷やかされてしまうのである。女子たちは他人事だと思って、この半ズボン運動をネタ化して面白がっていた。

女子から笑い者にされるのも嫌だったし、男子の間でも脱落者という烙印を押されたくない。小学校卒業までの間ずっと居心地の悪い思いをするよりはマシだとヨシキも仕方なく半ズボンをはき続けていたのだが、勿論それはそれで恥ずかしかったのだから、どちらにしても救いようがなかった。

おまけに寒さとの戦いもある。
肌を突き刺すような真冬に、生脚で太もも丸出しの半ズボン姿とは不条理でしかない。

ヨシキはスポーツもやっていなかったし、生脚が寒くて寒くて仕方なかった。だからと言って、上着に分厚いセーターを着込んでしのごうとすると、それはそれで脚の露出感が余計に強調されてしまう。

ヨシキにとっては、ただただ辛いだけの毎日だった。

そんなヨシキの葛藤を知ってか知らずか、志織はヨシキに会うたびに半ズボンのことに触れてくる。

「ヨシキもホットパンツで通すのね。意外。
ヨシキはホットパンツ好きじゃないかと思ってた」

何を思って志織がこんなことを言ってくるのか分からないが、志織に半ズボンのことを触れられるたびにヨシキはさらに半ズボンを履くことに恥ずかしさを感じた。

(だから、ホットパンツはやめてくれ。僕だって、僕だって本当は……)

半ズボンなんかはきたくない、と言おうとしたが、すんでのところでヨシキはそれを堪えた。
そんなことを言ったところで、よけいにかっこわるいような気がしたからだ。

半ズボン運動が続く真冬。
気温が2度に下がる冬一番の寒さの日となった放課後、暖房のない校舎は底冷えしていた。

凍えるような寒さのなか、居残りで掃除当番をしていたヨシキと志織。陽が落ちる頃になって、ようやく二人は下校することができた。

「校舎は冷えるし、ホットパンツだと寒かったでしょ?」

志織はいつもの長いジーンズだったが、こんな寒い日でもヨシキはセーターに半ズボン姿だった。半ズボンから出ている生脚には鳥肌が立っている。

志織は見るからに寒そうなヨシキの脚に視線をやりながら、ヨシキに語りかけた。

「寒かったよ……。外に出るともっと寒いし。あのさ、ホットパンツって言われるとすごくエロい感じがするからやめて」

「そう?分かった。じゃあ半ズボンにするけど、ヨシキの脚ってきれいだから。
ついホットパンツって言いたくなるのよね」

たしかヨシキには以前にもホットパンツという言い方はやめるように言われたかもしれない。
恥ずかしそうな困ったような表情を浮かべるヨシキに志織はあっさりと了承するが、なぜヨシキがホットパンツと言われるのをそんなに嫌がるのか志織には分からなかった。

同級生の男子は志織にとってまだまだ子どもに見えたが、ヨシキだけは少し違う。

同じものでも他の男子がはくと子どもっぽい半ズボンでしかないが、ヨシキがはいていると大人の色香を感じホットパンツと言いたくなる。

半ズボンから出ているヨシキの脚は、男性のたくましさと女性の柔らかさをあわせもち、それでいてまだ毛も生えていない清らかさもある。

すらりと伸びたヨシキの長い脚は、美意識の高い志織を惹きつけた。

美しいものに敏感で、美しいものは美しいと言いたい志織はついヨシキの半ズボンのことを口にしてしまうのだが、綺麗と言われてヨシキは反応に困ってしまった。

どうして志織はこんなにも半ズボンのことに触れてくるのだろう。

「本当はもう半ズボンをはくのが恥ずかしいんだ。もうすぐ卒業だし、半ズボン運動から脱落したってからかわれるのも嫌だから我慢してるけど……」

弱音を吐くようで情けないが、これ以上半ズボンのことに触れられるのも耐えられなくなったヨシキは、ついに志織に思いを打ち明けてしまう。

「そうなのね、分からなくもないけど……。
でも、男子がそういう風に思いきり脚を出せるのも今のうちだから、最後まではいてもいいんじゃない?どうせもうすぐ卒業なんだから、嫌でもはけなくなるよ」

ヨシキほどにバランスの良く綺麗な脚は中々見ることがない。恥ずかしがる気持ちも分からなくはないが、きっとヨシキは今が一番脚がきれいな時期なんだから、どんどん出してほしいとさえ志織は思っていた。

もしも志織がヨシキのような美しい脚を持っていたら、惜しげもなくその脚を露出していただろう。

しかし、志織はまだ自分の脚に色気が足りないことをよく分かっていたので、そうはしなかった。色気のない脚を露出しても逆に子どもっぽくなるだけだと思っていたので、彼女は脚を隠すファッションを好んでいたのだ。

「そうだけど、早く卒業したいよ。
中学生になったら制服を着るから、半ズボンも卒業だ」

今だけだとは分かっていても、中学生と同じくらいの体格をしているヨシキにとっては半ズボンをはくことは拷問でしかない。

志織のパンタロン姿が見れなくなることは残念なような気もするが、早く制服を着て中学に通いたかった。

「そっか、ちょっと残念。
私はヨシキの制服姿を見ることができないんだ」

「え?どういう意味?」

志織の言っている意味がよく分からずに聞き返すと、志織は一瞬うつむいてから寂しそうに笑う。

「四月からお父さんがまた転勤するから、小学校卒業と同時に引っ越するのよ。
だから、ヨシキたちと同じ中学には進学しないの」

はあっと白い息をはきながら、どこか寂しそうにそう告げた志織にヨシキは衝撃を受けた。

(じゃあ、もうすぐ志織とはお別れなんだ……)

てっきり同じ中学に進学するとばかり思っていたのに、別れが差し迫っていることを知ったヨシキはなぜか寂しさを感じる。

同じクラスの女の子がいなくなるから?
いや……、志織以外の女の子だったらこんな風には思わないだろう。

ヨシキにとっての志織とは、負けたくない相手であり憧れでもあった。彼女が自分にとってどんな存在かと問われたら困ってしまうが、それでもきっとヨシキにとって志織は特別であったのだろう。

ヨシキが一抹の寂しさを感じていた時、寒さが高まり、ついに空からは雪がハラハラと舞い落ちる。

「雪まで降ってきちゃったね。寒くない?」

空から雪が降ってきたことに気づいた志織は、ヨシキの半ズボンに再び目をやった。
半ズボンから伸びる生脚は相変わらず鳥肌が立っていて寒そうだが、すべすべで柔らかそうだ。

「ねぇ、少しあっためてあげようか?」

魅惑的なヨシキの太ももに引き寄せられるように、志織は手を伸ばす。

「!」

大胆な行為であったが、志織はごく普通のことかのように振舞っていた。

ほとんど表情も変えず、志織はヨシキの脚をそのままゆっくりとさすり上げていく。

薄暗い冬の空から雪まで降りはじめて、半ズボンのヨシキはかなりの寒さを感じていたが、志織に触れられたところを中心に一気に熱を持っていく。さっきまでの寒さが嘘みたいに、ヨシキの体は火照っていた。

美しく白い手で太ももをさすられて、ヨシキはなんとも言いがたい感情を感じていたのだ。

「どう?あったかくなった?」

自分でも体が火照ってきたのが分かるくらいに興奮しているヨシキとは対照的に、志織はあくまでもあっけらかんとした様子だ。

「こ、こんなこと……、いいの……?」

どうしようもなく興奮してるのは自分だけなのか。東京育ちの志織にとっては、これくらい何ともないことなのか。

さっき志織に太ももを触られたとき、ヨシキはなんだかすごく……いけないことをしているような気分になってしまったのだが、自分が考え過ぎなのか。それとも、志織が少しずれているのか。

ヨシキはよく分からなくなってしまった。

(中略)

どれくらいの時間そうしていたの分からないが、二人だけの時間を過ごしていると、ちらほらと降っていた雪も本格的に降り始めてきた。
いつのまにか空もすっかり暗くなっている。

名残惜しかったが、さすがにそろそろ帰らないとまずいと思ったヨシキがそれを志織に告げる前に、志織が立ち上がった。

「そろそろ帰ろうか」

「う、うん」

さっきまであんなに濃厚な時間を過ごしていたのが嘘みたいにあっけらかんとした様子で、志織は背を向けて歩き始める。

ヨシキが志織の後を追おうとしたとき、志織はそうだと声を上げて、ヨシキの方を振り向く。

「今日のことは二人だけの秘密ね」

ピンク色の唇に人差し指を当てて笑った志織がいつもよりもさらに大人びて見えて、ドギマギしたヨシキはあわててコクコクと無言で頷いた。

(志織に言われなくても、こんなこと誰にも言えるわけない……)

そのあと、冬を越して次の春を迎える前には、言葉通り志織は転校していってしまった。

突然現れ、そして突然去っていってしまった志織。東京からきた志織は、本当に不思議な少女だったと思う。

結局ヨシキと志織が触れ合ったのは、あの日一度きりだった。

志織がヨシキの脚を一方的に触っただけ。
それ以上のことも、それ以外のことも何もない。恋人でもないし、相手が自分にとってどんな存在かさえ分からない。

言葉にしてしまうと大したことではないように思えるが、しかし、あの時間は二人にとって特別な時間だった。

不思議な美少女は、ヨシキの心に一生忘れられない爪痕を残していったのだ。

あとがき

以前お仕事実績でも公開させて頂いた昭和風怪奇小説の続編をご依頼頂きました。
今回は前回のようなホラー要素はなく、少し毛色の違ったお話でしたが、今回もとても楽しく書かせて頂きました。
現代以外が舞台のお話も新鮮で楽しいですね。

まとめ

リピートでご依頼頂けると、やっぱり嬉しいです。もちろん一回きりでもすごく嬉しいし有り難いのですが、リピートして頂けたというとは前回の作品が本当にご満足頂けたということなので、それがすごく嬉しいですね。リピーター様にはまたご満足頂けるものを、新規様にはリピートして頂けるように、これからも一回一回心を込めて取り組んでいきたいと思います。

公開許可を頂ける作品はごく一部なのですが、また許可を頂いた作品があればブログにも掲載させて頂きますね。

2019年4月25日創作活動, お仕事の実績

Posted by 春音優月