自作小説『バンドマンだった俺が女体化してファン(男)と同居することになった話』後日談~女体化したバンドマンのその後の話~

2023年8月1日


こんにちは、『優月の気ままな創作活動』にお越し頂きありがとうございます。

管理人の春音優月(はるねゆづき)と申します。

今回は、ムーンライトノベルズに投稿した作品の後日談を載せたいと思います。ムーンに置かせて頂いている本編自体はR18ですが、当ブログに載せるもの自体は全年齢のものですので、どなたでもお読み頂いても大丈夫です。  

ただし女体化要素含みますので、苦手な方はご遠慮ください。女体化好きな同志の方は、ぜひどうぞ。

本編の小説情報

小説のリンク先は、女性向け18禁小説投稿サイト ムーンライトノベルズ です。※R18相当の性描写がございますので、18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。

『 バンドマンだった俺が女体化してファン(男)と同居することになった話』
2017.03.27~2018.02.17
【TSF】【女体化】【パラレルワールド】
売れないバンドのボーカルをやっている主人公は、事故にあってTS(男→女)してしまう。自分の熱烈なファンでもあり、命を救ってくれた恩人でもある年下科学者と一緒に暮らすことになって、なぜか愛が芽生えちゃうお話。

小説紹介のブログ記事はこちらから

後日談『女体化したバンドマンのその後の話』

『 バンドマンだった俺が女体化してファン(男)と同居することになった話』 後日談

女体化したバンドマンのその後の話(妊娠編)

「あ~……またやっちゃった…….」

晩飯にカレーでも作ろうとにんじんを切っていたら、うっかり包丁で手を切ってしまった。

妊娠三ヶ月。
ラッキーなことにつわりは全くといいほどないけれど、妊娠してから明らかに注意力に欠けるようになってしまった。

ただでさえ家事はあまり得意ではないのに、妊娠してからはさらに失敗ばかりだ。

「ダメじゃないですか!だから俺がやるっていったのに。包丁なんか握ったら危ないでしょう。もう一人の体じゃないんだから気をつけないと」

血が流れる指をぼうっと見ていると、自室で研究をしていたはずの明宏が飛んできて、小言を言いながらも俺の手をつかみ指を洗って消毒して、すばやく処置をする。
 
「お前大げさすぎ。
こんなのほっといたら治るのに」

元から過保護ではあったけど、妊娠してからはさらにそれがひどくなった明宏にため息をつく。 

包丁も握れないってどうなんだ。
これから親になるっていうのに、こんなに子ども扱いされてベタベタに甘やかされてて大丈夫なのか。

「自分の妻の心配くらいさせてくださいよ……」

ありがたい気持ち半分過保護過ぎて戸惑う気持ち半分で、処置された指をじっと見ていると、明宏に後ろからぎゅっと抱きしめられる。

妻か……。
まだ慣れない響きでなんだか照れくさいけど、急に幸せがこみ上げてくる。

正式に籍も入れて、お腹の中には明宏との子どもまでいる。こんな未来がくるなんて思ってなかったから、今が幸せで幸せで仕方ない。

過保護過ぎて勘弁してくれと思う時もあるけど、なんだかんだ俺は明宏にベタベタに甘やかされるのが好きだ。

大きな体にすっぽりと埋まるように抱きしめられて、安心して身を預けた。

女体化したバンドマンのその後の話(結婚式編)

「すごく綺麗です!可愛いです」

結婚式当日。
少し伸びた髪に付け毛を足されアップにされて、そして純白のウェディングドレスを着る俺を一目見るなり、明宏はずっとこんな感じだ。

安定期に入り、だいぶ目立ってきたお腹を隠すためのウエストがふわっと広がったタイプのドレス。

明宏はそれが気にいったらしく、似合うだの可愛いだの綺麗だの、とにかくこっちが照れるくらいに可愛い可愛いとほめちぎってくる。こんなひらひらふわふわしたドレスなんて絶対着たくないと思ってたけど、こんなに喜んでるなら、やっぱり着てよかったな。

俺の両親も他界してるし、明宏も家族と疎遠。
そもそも俺が女体化したということもバンドのメンバーくらいしか知らないから友だちも呼べないし、明宏もまあ友だちいない感じだし……。
 
結婚式に呼ぶ人もいないから、二人だけでひっそりと式を挙げるために、都内の小さな教会を予約した。

もっと豪華なとこでとか海外でもいいのに、とか明宏は色々言ってたけど、あまり大げさにするのも恥ずかしいからここで十分だと俺が押しきった。

***

「……んっ、……っ……。
誓いのキスには、まだ早すぎるんじゃないか?」 

ほめちぎってくるのを適当にあしらっていたら、急に濃厚なキスをされて、なんとなく照れくさくなってそんな言葉を返す。

キスなんて何回もしてるけど、今日は特別な日で、俺はドレスで、明宏はタキシード。しかももうすぐ結婚式が始まると思うと、妙に気恥ずかしい。

「嬉しくて、つい。
こんなにも可愛くて綺麗な人がお嫁さんになってくれるなんて、本当に幸せです」

猫みたいな口元をゆるめて、本当に幸せそうに笑う明宏に、どうしようもなく愛しさがこみ上げてきた。
  
幸せだ。
いつかは結婚するんだろうなとはなんとなく思ってたけど、まさか自分がドレスを着る立場になるなんて思いもしなかったけど、明宏とならなんでもいい。

一緒にいられるなら、なんでもいい。

口紅を塗られてキスが出来なくなる前にと、もう一度キスをねだった。

女体化したバンドマンのその後の話(新婚編)

「しんどくない?」

横向きに寝そべってうとうとしている俺を、明宏が後ろから抱きしめる。妊娠8ヶ月になり、さすがに仰向けに寝るのも辛くなってきて、最近はこの横向きの姿勢が一番落ち着く。

「んー……大丈夫……」

そんなに重そうなお腹でしんどくないのかとしょっちゅう聞かれるけど、意外とそうでもない。腰が痛くなったり身軽に動けなかったりはあるけど、見た目ほどはしんどくなくて、むしろ出産してお腹がぺたんこになったら寂しくなりそうな気さえしてる。    

大きなお腹を撫でていた手は、妊娠してから二サイズくらい大きくなった胸に触れる。今日こそはするのかと期待していたけれど、ちょっと触っただけでその手はどけられてしまった。

「……しないの?」 
 
体のことを考えてくれてるんだろうけど、妊娠する前はあんなにしてたのに、妊娠してからは本当にめったにしなくなってしまって、こっちの方が欲求不満になりそうだ。しびれを切らして振り向くと、明宏はばつの悪そうな顔をした。

「さすがにまずいかなぁと」   
 
「ゆっくりだったら大丈夫だって言ってんだろ。その気にならないんだったら仕方ないけど」  

気をつかってるだけじゃなくて、そもそも今の俺の体に欲情しないんだったら仕方ない。
安定期に入るまではまだまだお腹も小さかったけど、妊娠後期に入った今は誰がどう見ても妊婦の体だ。徐々に変化する自分の体を自分自身は意外なほどにすんなりと受け入れてるけど、明宏はそうじゃないかもしれない。

その気にならないって言われたらショックだけど、でも明宏は自分の体じゃないわけだし変化を受け入れるのが難しいのは理解はできる。
 
「……その気にならないわけじゃないけど、久しぶりだし加減できる自信がないんです」
 
「その気になっている証」をお腹の辺りに押し付けられ、久しぶりの熱に自分の体まで熱くなってくる。
   
「それはがんばれ。 
大体今しなかったら、出産後はしばらくできないだろ。いいの?」

誘うように体をぴたりとくっつけると、さすがに我慢しきれなくなったのか、手を伸ばし腰を撫でられる。すぐに反応が返ったきたことが嬉しかったし、なんだかほっとした。
  
徐々に変化していく自分の体も、子どもを生むことも、不思議なほどに穏やかに受け入れている。受け入れてはいるけど、もう少しだけ二人の甘い時間がほしいんだ。   

あとがき

ほんの小話程度ですが、ムーン版のその後の二人を書いてみました。

あまりに攻めすぎてもどうかと思うので、ブログに載せられるのは、このくらいのいちゃえろが限界になります。もっと過激な話はムーンの方でがんばります笑
 
ひたすらいちゃいちゃしてるだけの意味もない話でしたが、幸せいっぱいの二人が書けて幸せでした。読んで頂いた方ありがとうございました。

2023年8月1日創作活動, 短編・番外編

Posted by 春音優月