【執筆8周年企画】イラストを元にストーリーを考えてみました

2021年4月2日

こんにちは、『優月の気ままな創作活動』にお越し頂きありがとうございます。
管理人の春音優月(はるねゆづき)と申します。

今年の8月で執筆8周年、同時にブログ2周年を迎えました。

ハルちゃん
ハルちゃん
おめでとう!
優月
優月
ありがとう〜!今年は8周年の特別記念短編を用意してありますので、ぜひ楽しんでいって頂けたら嬉しいです!

テーマ『国際恋愛』

今年は、「国際恋愛」をテーマにした短編をかいてみました。

イタリア人彼氏と私

「アカリ、コーヒーいれたよ」
「ありがとう」

雑誌を読んでいた朱莉(あかり)は、同棲中でもあり婚約者でもあるダニエルからコーヒーを受け取る。

イタリアで暮らしている二人の毎日は、コーヒーに始まりコーヒーに終わる。

眠気覚ましに、食後に、そして仕事が終わって家に帰ってからの二人でゆっくりと過ごす時に一杯。

日本にいた頃はそうでもなかったが、イタリアに来てから付き合い始めたコーヒー愛好家の彼氏のダニエルの影響で、朱莉もすっかりコーヒーが好きになってしまっている。

そういえば、二人が付き合うことになったのも、コーヒーを飲んでいる朱莉にダニエルが声をかけたことがきっかけだった。

「どうしたの?」

ふいに二人が出会った日のことを思い出し、小さく笑みをこぼした朱莉にダニエルは不思議そうな顔をする。

「ううん、何でもない。私たちが初めて出会った日のことを思い出しただけ」

「アカリに出会えたから、あの日は僕が生まれてから二番目に幸せな日になったよ」

「ふふ、二番目なの?一番は?」

朱莉の隣に腰掛け、さりげなく腰に手を回してきたダニエルに朱莉はおかしそうに笑う。

日本で生まれ育ち、仕事の関係でイタリアにきた朱莉にとって、イタリアに来たばかりの時は全てが新鮮でもあったが、同時に慣れないことばかりであった。

生活スタイルも、環境も、食事も、イタリア人の考え方も。

全てが慣れなかったし、イタリアに来て早々に初対面でナンパしてきたダニエルにも始めは警戒心を抱いていた。

高身長でスタイルも良く、マロンブラウンの髪にブルーの瞳。王子様のような外見で、明らかに女慣れしていそうだったし、口から出てくる言葉も歯が浮くような言葉ばかりだった。

本気になってもどうせ遊ばれて終わるだけだと分かりきっていたから、朱莉も線を引いていたつもりだったが、不思議と憎みきれなかったのかもしれない。

二回目三回目とデートを重ね、出会ってから二年経った今では、一緒に暮らすようになり、ペアのマグカップを使う仲にまでなってしまった。

「一番目は、アカリと結婚する日かな。
アカリと一緒に暮らして毎日幸せだけど、結婚式はこれからずっとアカリと一緒にいることを誓える日だからね」

ダニエルはアカリを抱き寄せ、甘く囁く。

本当なら今のでムードが良くなるのかもしれないが、やはり朱莉は、何度聞いてもダニエルのこの砂を吐きそうな甘いセリフは聞き慣れなかった。我慢していたが、こらえきれずにクスクスと笑い出してしまう。

「そうね、私もダニエルと結婚することが出来て幸せよ。ダニエルが意外と真面目なことも最近分かったし」

「ひどいね。二年も一緒にいて、分かってくれたのは最近なんだ?」

苦笑いを浮かべるダニエルに、朱莉も微笑み返す。

ロマンチックで甘い雰囲気には未だに慣れないけど、こうやって毎日を過ごせるのは幸せなことなのかもしれない。

こうやって幸せを積み重ねて、初めて出会った日、結婚式を挙げた日、子どもが生まれた日、……と一番幸せな日を増やしていきたいな。

穏やかで優しい時間が流れるなか、朱莉はそんなことを思っていた。

あとがき

年齢は二人とも同じくらいで、二十代半ばか後半くらいかな。ダニエルはチャラい雰囲気だけど、彼女には甘くて優しい典型的なイタリア人(私の中でのイメージ)をイメージしてて、朱莉はけっこう仕事が出来るタイプでしっかりしてるけど割と流されやすいところもある……という設定です。

イラストを拝見した時にすぐイメージが浮かんできたので、書いててとても楽しかったです。

今回の短編が誕生した経緯

企画短編を書くにあたって

毎年◯周年に記念のSSや番外編を書いていたのですが、昨年は何も出来ていなくて、今年は昨年の分も何か特別なことが出来たら……とずっと思っていました。

何がいいかなぁと考えていたのですが……

私は自作小説にイラストを付けて頂くのが好きで、ココナラスキマで小説のイメージイラストのようなものを時々依頼させて頂いております。

その際はこちらが書いた小説を読んで頂いて、それに合うようなイラストを描いて頂く……という流れで依頼させて頂いているのですが、ふと逆パターンの「最初に元となるイラストを描いて頂き、こちらがイラストに合うようなストーリーを書く」ということがやってみたくなったのですね。

イラストから想像を膨らませてストーリーを作るということがやってみたくなり、スキマのリクエストにてイラストを描いて頂く方を募集させて頂きました。

今回の指定が、 国際恋愛(※女性は日本人固定、男性が外国籍)をテーマに、10代後半〜20代前半の男女のイラストということのみで、構図・背景・キャラクターの外見等は全て自由に描いて頂きたいという希望がありました。

おまかせの方が描きやすいよ〜っていう方ももちろんいらっしゃると思いますが、指定がないと書きにくい!おまかせは、お断りもしくは追加料金って方もけっこう多いのではないかと思います。

人を選ぶ依頼内容の時は、募集を募ることができるリクエストが本当に便利な機能ですね(´ω`)

イラストを描いて頂いた方のご紹介

当記事のアイキャッチと挿絵は、スキマのリクエストで立候補して頂いたにわさまに描いて頂きました。

キラキラ可愛い雰囲気の絵柄に惹かれて依頼させて頂いたのですが、描いて頂いたイラストも甘くてきゅんとする雰囲気のものでとても嬉しかったです。

こちらからのリクエストとしては、「二十代の男女の国際恋愛をテーマに、ストーリー性のあるイラストを描いて頂きたい」ということでしたが、リクエスト通りかつ期待を上回るものを納品頂けました。

あとがきのところにも書きましたが、二人の性格や関係性もすぐに浮かんできました。
イラスト自体も本当に素敵で、女性も男性もとても綺麗で可愛くかっこいいので、にわさまのイラストのファンになっちゃいました(*´ω`*)

また機会があれば、ぜひ依頼させて頂きたいですね♡

まとめ

初めての企画でしたが、いかがでしたか?
イラストからストーリーを連想するというのはずっと挑戦してみたかったことなので、私はこの企画をやっていてとても楽しかったです。小説やブログを見てくださる方にも少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。
来年の9周年はどうなるか分かりませんが、もしまた何か企画ができたらぜひ挑戦してみたいと思います。

優月
優月
ここまで読んで頂いてありがとうございます!今後も小説やブログはもちろん続けていきますが、楽しい企画もどんどん挑戦してみたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします

スキマ