【小説執筆】お仕事の実績サンプル①

2019年4月25日

こんにちは、『優月の気ままな創作活動』にお越し頂きありがとうございます。
管理人の春音優月(はるねゆづき)と申します。

自分のオリジナル小説も趣味で書いていますが、ココナラとスキマで小説執筆のご依頼もお受けしております。

書かせて頂いた作品で非公開をご希望された作品はもちろん公開したりはしませんが、サンプルとして公開許可を頂いた作品もあるので、今回は公開許可を頂いた作品の一部をブログにも公開させて頂きたいと思います。

昭和風怪奇小説

サンプル公開

ーーー昭和七十△年、初冬。

秋が終わり、肌を突き刺すような寒い時期となったが、河原三平はどこに出かける時でもセーターと短いソックスに半ズボンという出で立ちだった。

三平は小学六年生ではあるが、160センチを越える大柄である。中学生や高校生と間違われてもおかしくないくらいに大柄の三平が、短い半ズボンを履いて太ももを丸出しにしている姿は危うく、アンバランスさを感じさせる。

第二次性徴を迎え、三平の身体は子どもから大人に近づきつつあるが、大人の男性のように固い筋肉のついた体ではなかった。

ほぼ下着のような長さの半ズボンからむき出しになっている脚はむっちりとしていて、太ももにはほとんど隙間がない。その脚には少年特有の柔らかい肉がついていたが、大人顔負けのすらりと長い足をしていた。

ちょうど大人と子どもの間にいる三平。
一年も経てば、きっと三平の体は大人のものへと変わっているだろう。

今だけのアンバランスさを半ズボンからむき出しにしながら街を歩く三平に、一人の若い女が近づいていく。

ロングスカートにコートを着込んだその女は、家に帰ろうとしていた三平を呼び止める。

「あの、すみません。
砂丘にはどう行ったらいいのでしょうか」

三平の住む街には海があり、砂丘があった。
街に住む人間なら当然砂丘の場所も知っているはずだが、どこか他のところからきたのだろうか。

土地勘のある三平は丁寧に場所を伝えるが、女はいまいちピンときてない様子で、もしよろしければ案内してくれませんかと頼み込む。

長い黒髪を持つその女は人目を引く容姿をしていた。美しい年上の女性に三平は内心ドキリとしたが、真面目な彼はすぐに女の頼みを聞き入れ、砂丘へ向かうバスへと一緒に乗り込む。

まばらに座席の埋まるバスの中、三平も女と二人がけの椅子に座りながらぽつぽつと言葉を交わした。

「霧子さんはどこからいらっしゃったんですか?」

「東京からです」

お互いに名乗った後、三平は女……霧子がどこから来たのか尋ねると、東京からとの答えが返ってきて、さすがに三平も驚いてしまった。

この街から東京は距離があるし、東京の人が何の用事があるのだろうか。

わざわざ東京からと驚く三平に、霧子はふわりと花が咲いたように微笑む。

「どうしてもここの砂丘を見たかったので」

三平は生まれた時からこの街に住んでいるからよく分からなかったが、よその街の人からすると砂丘が珍しくうつるのだろう。

そうなんですね、と相づちを打ちながらも、美しいだけではなく上品で優しい霧子に三平は憧れに近い気持ちを感じた。

「もう寒い季節なのに、ずいぶん短いズボンをはいてらっしゃるのね」

会話の合間、霧子はさりげなく三平の太ももに視線をやってから、彼の履いている半ズボンのことを口にした。

男子小学生が半ズボンを履いているのはごく当たり前のことだが、さすがにこんなに寒い時期に履いているのはおかしいと思ったのだろうか。

それとも、中学生と間違われるくらいに大柄の三平が短い半ズボンを履く姿が不自然にうつったのだろうか。

「もうすぐ小学校を卒業してはけなくなるし、卒業するまでは頑張ってはこうと思いまして」

体格が大きくなり始めてからは三平も半ズボンを履くのが恥ずかしくなってきたのだが、中学生になればこんなに短いズボンを履く機会はなくなる。恥ずかしさや寒さを感じても、小学生のうちは小学生らしい格好でいたいと三平は思っていた。

「素敵ですわ。脚も長いから、とてもよく似合っていらっしゃるし」

霧子が柔らかく微笑みながら三平の半ズボン姿を褒めるので、三平は照れてしまい、困ったように笑う。

周りと比べて大柄な三平が半ズボンを履いていると、奇異の目で見られることはしょっちゅうあったが、こんな風に褒められたことは初めてだった。

美しい年上の女性に褒められて、三平はすっかり嬉しくなってしまっていた。

「三平さんは小学生でいらしたのね。
しっかりしていらっしゃるから中学生かと思いましたわ。学校の成績も優秀なのでしょう?」

「いえ、そんなことは……」

三平は謙遜していたが、実際に彼は優秀であった。学級委員に一番に推薦されるほど教師からもクラスメイトからも信頼を置かれ、真面目で優秀。

三平の家は特別裕福というわけでもなく、貧乏というわけでもなく、ごく平凡な家庭ではあったが、両親共に模範的な人格者であった。

父親は教師として誰からも信頼され、専業主婦の母親は夫を支える良き妻であり母。そんな両親を誰よりも尊敬していた三平は、二人の期待に応えるためにも常に勉学に励んできたのだ。

「将来は、父みたいな大人になりたいと思っています」

将来はどうされるのか、との霧子の問いに三平は戸惑いなくそう答えた。

これからも勉学に励み、ゆくゆくは教師になって、父のように誰からも信頼を置かれる立派な大人になりたい。

まだ小学生にも関わらず、しっかりと将来を見据えている三平の横顔を見つめながら、霧子は意味深な笑みを浮かべる。

その笑みにはどんな意味が隠されているのだろうか。

将来のことを思い瞳を輝かせている三平は、霧子が意味ありげな笑みを浮かべていることに気づくことができなかった。

「一緒に歩きません? 何故だか、あなたと歩いてみたくなったの」

バスを降りて砂丘に着くと、霧子は三平に視線を向ける。

三平は一瞬だけ考えてから、すぐに霧子の誘いに乗った。

日が落ちかけているが、まだ家族に心配をかける時間でもないだろう。バスに乗れば、家まではすぐに着く。

そこまで遅い時間ではないということもあったが、実のところ美しい年上の女性からの誘いに心が動かされたというのが本当のところだ。

母親よりも若く、クラスメイトの女子よりもずっと大人っぽい。霧子への憧れもあったし、霧子から大人として扱われたことで、少しだけ背伸びしてみたくなったのだ。

三平が誘いに乗ると、霧子はにこりと頷き足を進める。

サラサラとした砂丘の砂を踏みしめながら、霧子は人気のない砂丘をずんずんと進んでいく。ほとんど会話もなく歩いている霧子に少しだけ違和感を感じながらも、三平もその後をついていく。

やがて、辺り一面が砂で埋まっているような砂丘の奥へと達すると、ようやく霧子は足を止めた。

街の人間である三平でもこんなところまでは来たことがない。

すっかり沈みきった夕日が辺りの砂丘を反射していて、三平ははっとした。

霧子から誘われたことが嬉しくなって奥までついて来てしまったけど、そろそろ帰らないと両親が心配するだろう。

そろそろ失礼します、と霧子に告げようとしたとき、背を向けていた霧子が三平の方を向き直った。

「ウフフ、とうとうこんなところまで来たね。さあ、お前はここで私の好きにされるんだ」

風でロングコートの裾をはためかせながら振り返った霧子は、もう今までの霧子ではなかった。

今まで優しく上品だった霧子はまるで魔女のような話し方になり、顔つきまでも怪しげな魔性のもへと変わっている。

霧子の変貌に三平は驚いて声も出すことが出来ずにいると、半ズボンからむき出しになっている三平の脚に霧子は手を伸ばした。

「お前を街で見かけた時から目をつけていたんだよ。私の獲物だとね」

そう、よその街から来たなどとは、三平をここまで誘い込むための口実に過ぎない。

実は霧子には魔性である蜘蛛女の血が流れていて、成長過程である男子を捕らえ、もだえ苦しむ様を見ることを無常の楽しみとしていた。

ちょうど大人と子どもの中間地点にいて、妙な色気のあるむっちりとした脚を半ズボンからむき出しにしている三平は、霧子にとって格好の獲物だったというわけである。

「……や、やめてください!」

そんなことを知るわけもない三平は訳が分からなかったが、しかしこの状況が危険だということは分かる。

半ズボンからむき出しになっている脚を撫でる霧子の手を振り払うと、霧子が唇の端をつり上げ怪しい笑みを浮かべる。顔立ちは美しいが、その顔はまさに魔性であった。

「そう、抵抗するんだな。……それなら、お前を徹底的に責め抜いてやるよ!」

上品で優しかった女性とはとても思えない恐ろしい形相で、霧子は三平に蜘蛛の糸を吹き付ける。

「うわああああ!」

三平は透明な細い糸で全身を絡め取られ、そこから逃れようともがいているうちに砂丘に倒れてしまった。三平は砂丘の上で手足をばたつかせるが、いくらもがいても霧子の蜘蛛の糸は切れることがない。

「はぁはぁ……うっ、うう……」

赤い夕焼けが反射している砂丘の上で、三平は全身を砂だらけにしながら虚しく転がり続けるしかなかった。半ズボンからむき出しになったむっちりとした脚も砂まみれになってしまう。

そんな三平の様子をせせら笑いながら、霧子は勝ち誇ったような顔をして近づいてくる。

「ぬあ、うう、……うわあああ!!!」

ゆっくりゆっくりと砂を踏みしめながら近づいてくる霧子の足音を聞き、三平は訳の分からない声を出しながら蜘蛛の糸の中で必死にもがき続ける。

もがき続ける三平を見下ろした霧子は妖艶な笑みを浮かべながら、三平の上に馬乗りになった。

ここからが、霧子の至福の時間だ。
これからどうなるのかを想像するだけで、霧子は全身がゾクゾクした。

「さあ。ここからはお前には地獄の苦しみを味わってもらうよ」

(続)

あとがき

昭和を舞台にしたご依頼小説の一部をサンプル公開させて頂きました。
私にとって初めて書かせて頂くジャンルで難しさもありましたが、大変勉強させて頂きました。

甘々BL小説

サンプル公開

一日に数組しかお客さんをとっていないこぢんまりとした老舗の旅館。不相応なんじゃな いかとソワソワしてしまうくらいに高級な旅館なのに、ここに来て早々俺も○○もすっかり くつろいでしまっているのは、とても落ち着いたおだやかな雰囲気だからかな。

「本当に良いところだね。誘ってくれてありがとう、〇〇」

どういたしましてと楽しそうに笑っている〇〇を見てると、俺まで嬉しくなってくる。
〇〇といると楽しい。学校のこと、〇〇のバイトや絵のこと、どんなことでも〇〇と話していると楽しく感じるから不思議だ。

もちろん〇〇とだったらどんなところでも楽しいけど、いつもとは違った環境、それにい つもとは違って浴衣で過ごすのはとても新鮮で……、なんだかドキドキする。今日は、ずっ と〇〇と一緒なんだよね。……どうしよう、嬉しすぎる。

「せっかく部屋に風呂がついてるんだし、一緒に入る?」

大好きな恋人とのんびり過ごせる幸せに浸っていると、ふいに思いがけないことを言わ れ、どきっとしてしまう。

「え!?それはちょっと……。 恥ずかしいし……」

「ハハハ!冗談だよ」

なんだ……、冗談だったんだ。いきなり誘われたから焦っちゃったけど、冗談って言われるとそれはそれでさみしいような気もする。

ほっとしたような少しだけ残念なような。複雑な気持ちになっていたのは俺だけだったみたいで、すぐに〇〇から次の話題をふられ、お風呂の話題はあっさりと流れた。

「おいしかったね。お、お風呂はどうする?」

「××が先に入ってきなよ」

あ、だよね……。やっぱりさっきのは冗談だったんだ。

ぷりぷりで新鮮なお刺身、カリカリに揚げられた天ぷら、旬の野菜料理、それから…… 色々出てきたけど、とにかく普段は食べられないような高級でおいしい部屋食を終えた後。 しばらく部屋でまったりしてから〇〇に声をかけると、さっき一緒にお風呂に入ろうと 言ったことなんて忘れてるみたいな反応をされて、ちょっとだけへこむ。いや、実際に一緒 に入ることになってもどうすれば良いか分からないんだけど……、でも……。

自分から誘いを断ったくせに、やっぱり断らなければ良かったかなとかアレコレ考えなが ら、部屋に付いているお風呂につかる。

お風呂からあがり、入れ替わりに〇〇がお風呂にいったのを見届けてから、ごろりと布団 に横になった。

それにしても、〇〇から温泉に誘われるなんて本当に思ってもみなかったな。バイトをし ながらの一人暮らしだからお金を貯めるのも大変なのに、今日のためにこつこつ貯金してく れていたなんて……。何よりも、あの〇〇が自分から一緒に温泉に行こうと誘ってくれたこ とが何よりも嬉しい。少し照れたような真剣な表情で誘ってくれたときのことを思い出す と、自然と顔がニヤけてしまう。俺も恥ずかしくて自分から中々いけないけど、〇〇もそう。だから、一年付き合っててもキスもその先も数えるくらいしかしてないけれど、今日は少しくらい期待してもいいのかな……?せっかく二人きりで良い雰囲気の旅館にいるんだし、せめてキスくらいはしたいな……。

あー…….!やっぱり一緒にお風呂に入っちゃえば良かったかな。せっかく〇〇が誘ってくれたのに……。

ドア一枚を隔て部屋のすぐ外にある露天風呂は、簡単な柵しかなくて開放的だったけど、 山の上の方にある旅館だから誰にも見られることはないし、星空がとても綺麗だった。〇〇と一緒に見られたら良かったな……。

「……、ふわぁ~…….」

色々考えてたら、なんか眠くなってきた……。楽しみ過ぎて昨日はほとんど眠れなかった し……。だんだん目を開けてるのが辛くなってきた。でも、せっかく〇〇と二人きりなのに もう寝ちゃうなんてもったいない。まだまだ話したいことはいっぱいあるし、それに、〇〇ともっと……

(続)

あとがき

相思相愛で甘い雰囲気のご依頼小説の一部をサンプル公開させて頂きました。依頼者様のご要望によりキャラクター名は伏せさせて頂いております。
甘いBLは大好きなので、楽しみながら執筆させて頂きました。

まとめ

今回公開させて頂いた二作品は、原案はどちらも依頼者様。依頼者様のプロットとご要望に基づき、執筆させて頂きました。

優月の小説はハッピーエンドのものばかりですが、お仕事として書かせて頂くものはメリーバッドもバッドも書かせて頂いております。もちろんハッピーエンドも大歓迎です。

自分の好みに近いご依頼の内容でも嬉しいですし、普段書かないタイプのご依頼内容でも大変勉強になるので嬉しいです。

またご依頼作品の中で公開許可を頂いたものがあれば、ブログにもサンプルとして公開させて頂きたいと思います。

2019年4月25日お仕事の実績, 創作活動

Posted by 春音優月